もう何年もの間、GTAオンラインのクルマ関係の動画を見ているし、現役のオンラインプレイヤーとして日夜野良セッションに潜んでいる。
今まで数え切れないくらいのクルマ好きの同胞たちに会ってきた。
ガレージがスーパーカーだらけの人、スポーツカーだらけの人、ワイスピコレクションの人、MODカーだらけの人・・・。
一言にクルマ好きといってもそのコレクションは多種多様で、実に興味深いものなのだが、
そういえばこのジャンルを収集している人って見たことないな・・・ってのがある。
SUV。
今やリアルのクルマ業界の中心になっているSUVというジャンルだが、GTAオンラインという世界では非常に影が薄い。
速くて高性能でカッコいいクルマが求められるのだから、SUVみたいな中途半端なヤツはそもそもガレージ収集の対象にもならない。
そもそもSUVが好きだという人口よりもスポーツカー好き・スーパーカー好きの方が圧倒的に多いのだから仕方ない。
うーむ。でも、どうにももったいない。
いや、なぜ「もったいない」かというと、
「SUVでもカッコよくカスタムできるのではないか?」という考えが頭をよぎるからだ。
さかのぼること10年ほど前。
世の中に有り余るほど流通しているカスタムカー雑誌の中に
『J-LUG』
という雑誌があった。
キレイなネーチャンに30インチのデカリムハリアー。
ドハデなグラインドタトゥーにビカビカアンダーネオン。
その下品なくらいドハデはカスタムは目立ちたがりの若者たちのハートをガッシリキャッチ。
にわかに一大ムーブメントを巻き起こし、雑誌の名を冠してJ-LUG系のカスタムが流行したのだ。
ハリアーやムラーノといった高級SUVがベース車に多く採用され、ホイールハウスを大加工して30インチオーバーのデカリムを履く強者も現れた。
とにかくハデに、度肝抜くカスタムで目立つ。
それがJ-LUGたる所以だった。
J-LUG本誌は廃刊になってしまったが、今なおそのカスタムはカスタムシーンに強く名残を残しており、今でも一部に愛好家が存在する。
アメリカでは同じカスタムジャンルで「ドンク」と呼ばれ、黒人ギャングを中心にカスタムする者が後を絶たないという。
そんなことを考えているとやはり、いかに目立たぬSUVでもカッコよく魅せることが出来るのではないか?
というのが私の脳裏をよぎるのだ。
ちょうどいいベース車がそこらじゅうにあるじゃあないか!
・・・やらなければ!
J-LUG
2013年まで刊行されていたカスタムカー雑誌。いわゆるラグジュアリー系カスタムの代表誌であり、雑誌の名前をそのままとってJ-LUG系カスタムが誕生した。デカ履き、ドンクとも呼ばれる。
ハリアーやムラーノといったSUV、またはレクサスや日産のセダンやクーペがよく用いられ、ゴージャスにハデに仕上げるのが特徴。その中でもひときわ目立ったのが30インチ超のビックリムを履いたジャイアントリムスタイルだ。
ホイールハウスを巨大加工して無理矢理押し込んだビックリムの存在感はすさまじく、その存在感は言わずもがな。ショーカークラスはめったにお目にかかれないが、その唯一無二のカスタムスタイルは間違いなくジャパニーズカーカルチャーに刻み込まれているだろう。
大経リムをおさめるため基本はリフトアップ。しかし中にはホイールハウジングに技巧を凝らしてローダウンすることで、ホイールのデカさを際立たせるスタイルも存在するため。魅せかたは様々。
ローライダーのようにボディにグラインダータトゥーやエアブラシアートを描くことも多く、そのルーツは海外のカーカルチャーからも影響を受けているようにも思える。
アメリカでは黒人ギャング界隈を筆頭に「ドンク」と呼ばれるカスタムが流行している。J-LUGと同じように大経ホイールを履かせるのが特徴で、ベースは60~70年代のアメ車やピックアップ、最新モデルのメルセデス・ベンツやBMWと幅が広いのが特徴。
とにかくデカけりゃエラいとでも言いたげなほど、品のないくらいの巨大リムを履いている。ホイールが回転していないように見せるスピナーを装着することで、より一層ゴージャス感を高めているのだとか。
GTAオンラインで明確にドンクカスタムが出来るのはファクションくらいだが、SUVやオフロード車にデカいクロームリムを履かせることでそれっぽく出来るので、気になる方はぜひ試してみてほしい。
(ドンク向けデザインのホイールはベニーズオリジナルに多い。基本グリッチを使わないとできないのでチャンスが来たら一番に試そう。)