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半世紀ぶり復活!マツダ・RX500は今も現存する奇跡の一台だった【シャコタン好きのレア車図鑑 vol.6】

2024-02-20

 

この記事はシャコタン好きかつマニアックカー好きの管理人が最近気になったクルマを紹介するページです。市販車からレーシングカーまで「コイツ只者じゃねぇぞ・・・」ってクルマをピックアップしていきます!

 

古今東西レーシングゲームといえば国内外を含めゴマンとある。

もちろんレーシングゲームと銘打ってるだけあって、NPCやオンラインプレイヤーとレースをするのはとても楽しい。

最近ではスポーツカーは値上がりの一方だし、ガソリンも物価高で高騰するし、おいそれとクルマ好きを名乗るのも難しくなっているので、こういったゲームで知見を深めているクルマ好きは多いのではないだろうか。

そんなレーシングゲームの魅力はレースそのものだけではない。むしろ主役はクルマ。お目当てのゲームにどれくらいのクルマが収録されているかは、ゲームの購買意欲にダイレクトに接触する部分だ。

その中でも日本が誇る名作グランツーリスモシリーズは昔から車種が幅広いことでおなじみ。乗用車からレーシングカーだけでなく、時には「それどこから拾って来たの?」みたいなコンセプトカーまで登場する。

そんなグランツーリスモに収録されているコンセプトカーの中でも、ひときわ異彩を放っていた伝説のマツダ製スーパーカーRX500をピックアップしてみよう。

 

 

 

マツダ・RX500とは一体何者?

70年代の欧州スーパーカーを思わせるようなルックス。コンセプトが未来なのも納得のいくデザイン。

マツダ・RX500は1970年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカー。コンセプトカーとはその企業のコンセプト(理想・理念・夢をアピールする感じ)を提示するための市販されない車のこと。ショーカーといってもいい。

「ウチはこんなにスゴいぜ」というのをアピールするのが目的なので例え市販化されないような攻め過ぎたデザインや性能でもOK。毎年モーターショーではこれを楽しみに見に来ると言う人も少なくない。

その特性上、見た目だけスゴけりゃいいというのがほとんどでエンジンも何もついていないハリボテなこともしばしば。

 

ではRX500が一体何をアピールしたかったのか、というとズバリ「近未来」である。1970年は大阪万博が行われ、あのアポロ11号が月面着陸に成功した年でもある。聞けばこの頃は大衆の興味が科学に傾倒していたらしく、自動車界隈でも未来を感じさせるのがセールスポイントになったんだそう。

そんなわけでマツダは近未来コンセプトとしてロータリーエンジンを推進。この時既にコスモスポーツやファミリアでロータリーエンジン搭載車を販売していたわけで、その後1971年にはRX-3、その後はRX-7が登場することになる。

そういう意味ではRX500は後の名車RX-3やRX-7の原点になったともいうべき存在なのかもしれない。

 

リアに搭載された最初期のロータリーエンジン。それでも250PSも出してたと言うのだから驚き。エンジンフードはガルウィング式に展開する。

 

そんなマツダ・RX500だがハリボテが多いコンセプトカーであるにも関わらず、キチンとエンジンまでしっかりマウントしていた。初代コスモから実装された10Aロータリーエンジンリアミッドシップに搭載。馬力は250PS相当を発生。なんと車重は850kgという軽自動車並。

世の中に自動車数あれど、リアにロータリーエンジンなんて聞いたことない。メルセデスベンツが開発したコンセプトカーC111に対抗して開発したという経緯もあるのでそのためのデザインと考えられる。もし実際レースとかしてたらとんでもなく速いのでは?と思わせるスペックである。

さらには

・プラスチックボディの採用
・フロントガラスアンテナ内蔵AM/FMラジオ
・電気式速度センサー(テールランプの色が変化:160km以上で緑、アクセルを離すと黄、ブレーキをかけると赤に点灯)
・ベンチレーテッドディスク&4ポッドキャリパーブレーキ
・当時最新のレーシングタイヤ・ブリヂストンRA-100WETを装備
・前後ダブルウィッシュボーンサスペンション
・ガルウィング(シザースドア)←カウンタックよりも早く採用
・ボンネットもガルウィング

などちょっとやりすぎでは?と思うような装備まで充実。こうなるとホントに販売されてたらどうなっていたのか気になってしまう。

 

特徴的なリアビューはまさに未来を象徴するようなデザイン。どことなくデロリアンにも似ている。バックトゥザフューチャーできそう。

 

そしてなんとってもRX500の最大の特徴といえばデザインである。ルーフからトランクにかけて垂直にスパッとなっているカムテールと呼ばれるデザインを採用。ロータス・ヨーロッパスペシャルやDMC・デロリアンにも近いデザインとなっており、まさしくスペシャリティカーならではのデザイン。

RX500を開発するにあたってはこのカムテール(グランツーリスモ型)とレーシングマシン型、ロードスポーツクーペ型の3種類で検討されたそうだが、空力効率(cd値)を優先した結果グランツーリスモ型となった。実際カムテールデザインは現在でも最も空力効率の良いデザインとされているため、この認識は大正解。

コンセプトカーいえども日本製のクルマでこういったデザインは他にないと思うので、ゲームや動画を通じて人々の印象に残っているのも至極納得。奇怪とも華麗ともとれる独特過ぎるこのデザイン。しかもスーパーカー然としているのにサイズはしっかり日本サイズ。数多あるクルマたちの中でも2つとない存在だ。

マツダ・RX500は1970年から数年はスーパーカーブームにあやかって全国のマツダディーラーやカーショーで展示されていたそうだが次第にブームも過ぎ去り、時代は次の流行に移行。”見せるだけ”のコンセプトカーであるRX500は役割を終え、倉庫で長い眠りにつくのだが・・・。

 

 

奇跡の大復活!チーム広島が一念発起の大レストア

それから30年以上が経過した2007年8月、広島市で開催された「なつかしのスーパーカー展」においてスーパーカーブームを賑わせたRX500がまだ現存するらしいという情報が入って来る。そこで翌年開催を検討していた「まぼろしのスーパーカー展」を行うにあたりRX-500のレストアを敢行するに至った。

マツダの倉庫からホコリだらけで発掘されたRX500はおよそ人が乗れる状態ではなかったという。それもそのはず、30年前に役割を終えたショーカーなんて荷物にしかならない。むしろバラされていないだけ奇跡とも言っていい。

 

2008年に30年ぶりに発掘されたクルマを20年かけてレストアされた努力の結晶。かつてこれほどまでに愛されたスーパーカーが存在しただろうか。

 

余談だが著名なコンセプトカーやレーシングカーは以外にも所在不明の場合が多い。ここでも以前紹介した日産・GT-R LM NISMOは1年だけ走ってその後行方不明になってるように、用途がなくなってしまった車がどこかに行ってしまうことは珍しくない。

 

日産の黒歴史?伝説のFF駆動ルマンカー 日産・GT-R LM NISMOを解説!【シャコタン好きのレア車図鑑 vol.1】

 

そんな中、わずか1台しか作られなかったRX500が倉庫から発掘されたのはラッキーであったといわざる負えない。このRX500は倉庫発掘後、ヌマジ交通ミュージアム広島市交通科学館)にて引き取られレストアが開始された。

発掘から1年ほどで展示できるレベルまで復元し、曲がったフレームやシャシーなどを直し「まぼろしのスーパーカー展」にて展示されたという。

 

しかしここで終わることなく、なんとレストアは現在まで続いており、昨年2023年にはエンジン始動ができるようになり自走できる状態にまでレストアができたというのだから驚きだ。

修理に当たっては地元広島のカーショップ、元広島マツダのメカニック、さらにその知り合いの全国のメカニックたちの協力も得てついにエンジンの修理まで完了したのだという。まさにチーム広島でマツダの名車RX500が蘇ったのである。

現在もRX500はヌマジ交通ミュージアムに動態保存されており、誰でも見学可能だ。

 

数ある希少車の中でも非ディーラー系でレストアを成し遂げたというのはかなりレアなケース。ましてやコンセントカーという替えの効かないオリジナルパーツだらけなのにも関わらずこのクオリティで蘇らせることができたことに驚き。

ひとえにクルマ好きともっと地域を発展させたいと願う人々の情熱が動かした努力の結晶に他ならない。同じクルマ好きとして大変すばらしいことだと思う。どうか末永くRX500を後世に広めていってほしい。

未来を夢見て開発されたクルマが半世紀の時を経てまた動き出す・・・。こんなに粋な美談は他にはそうそうあるまい。

 

 

 

 

 

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